読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

学ランと心中

ホモをご飯にかけて食べると美味い。

カーストヘヴン(1)/緒川千世 感想

BL漫画

  こんばんは~。美容師さんに「今日はこの後どこかに行かれるんですか?」と訊かれて「(AmazonからBL漫画が届くので)家に帰ります」と答えた20代のキラキラOLです。一ヶ月ほど前から予約していた緒川先生の新刊をやっと読むことが出来たので感想を書きます。

 

【Amazon.co.jp限定】 カーストヘヴン (1) イラストカード付 (ビーボーイコミックスデラックス)

【Amazon.co.jp限定】 カーストヘヴン (1) イラストカード付 (ビーボーイコミックスデラックス)

  • 作者: 緒川千世
  • 出版社/メーカー: リブレ出版
  • 発売日: 2015/06/10
  • メディア: コミック
 

 【内容紹介】

非情な階級制度が生徒を支配する。
渦巻く嫉妬、羨望、欲情……衝撃のスクールカーストLOVE!

梓はカーストゲームで最上級の札【キング】を手にし、クラスの頂点に君臨していた。
だが、懐柔していたつもりの取り巻きに欺かれ、最底辺の【ターゲット】(いじめの標的)に落ち、プライドは粉々に。
しかも奴は、新キングの座を手にしたのだ。
クラス全員にいたぶられる梓に「俺に犯されるか皆にマワされるか選べ」と究極の選択を迫り……。

緒川千世 待望の長編シリーズ第1巻!      Amazonより引用)

 

 

 

 

(以下ネタバレ有)

 

 

 

 

 

●「のし上がりたいならキングを取ればいいじゃない」なカーストゲーム

 内容紹介にもあるようにスクールカーストもののBL作品です。wikipediaを見ると、スクールカーストとは生徒間に自然発生する人気の度合いを表す序列をカースト制度のような身分制度になぞらえた表現のこと、とありますが、まあ簡単に言うと顔が良くてスポーツが出来てコミュ力が高い子はカースト上位(クラスの中心)になりやすいし、地味なオタクや容姿の醜い子は下位になるよって感じのアレです。身分制度というと大げさに聞こえますが、どの学校も大体これと似たような基準でグループ分けや住み分けがなされているのではないかと思われます。スクールだけではなく、最近だと『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』というドラマでママカーストなる言葉を知りましたが、まあ意識していないだけでこういう目に見えない階級はどこにでもありますよね。

 スクールカーストをテーマにしているBLというと、凪良ゆう先生の美しい彼 (キャラ文庫)が記憶に新しいですが、この『美しい彼』ではウィキの説明そのままの、誰しもが学生の頃に一度は感じたことがあるであろう「自然発生する人気の度合いを表す序列」をカースト制度になぞらえた表現が出てきます。攻めはカースト底辺の陰キャラで、最上位だった受けとその取り巻きによくパシられていました。

 それに対して、カーストヘヴンは『カーストゲーム』というゲームによって生徒たち自身が階級制度を作り変えています。

 

 上の図がカーストゲームの階級ピラミッドです。上にいくほど身分が高くなります。謎が謎に包まれたこのカーストゲーム、一巻の時点では詳しいことはほとんど分かりませんが、判明していることを箇条書きにしてみました。

カーストゲームについて】

・ゲームが始まると生徒たちは校内に隠されたトランプのカードを探して、トランプを1枚教室に持ってくる。制限時間なし。

・手に入れたカードの数によって自分の身分が決まる。トランプの数字が大きいほど序列は高くなる。キング(トランプのKを見つけた人)は頂点としてクラスを支配し、ターゲット(トランプのジョーカーを見つけた人)はいじめのターゲットになる。

・このゲームに参加しない者、逆らう者は強制的にターゲットになる。

・カードの交換や強奪もオッケーで、良いカードを発見しても力ずくで盗られてしまう可能性がある。

カースト実行委員という謎の組織がある。

・決められたカーストは? \ゼッタ~~イ/ 次のゲームが始まるまで生徒たちはその身分に従って行動しなければならない。

 例えば前回のカーストゲームではキングで、生徒から一目置かれるような扱いだった子も、次のカーストゲームでギークになったらその日からオタクっぽく目立たないように振る舞わなくてはなりません。本編の中でも明るいゆるふわパーマだったクイーンの女の子が次のゲームでゴス(暗黒系)の身分に堕ちて黒髪ストレートの地味な雰囲気になっていたので驚きました。髪型や立ち振る舞いまで変えてその身分を演じなきゃならないのかよ…。

 見た目や運動能力でおのずと決まっていくスクールカーストをゲームによって変えていくという設定は新しいですね。こんなん自分のクラスであったら絶対転校してたわ。カーストヘヴンはこのゲームによって4人の男を中心としたドロドロBLが発生します。

 

 

 ●カーストゲームに振り回される男たち

 自分は完全にBLはコミックス派なので本誌で連載されている内容は全く知らないのですが、以下は一巻を読んでの梓、刈野、あつむ、久世の印象です。

 

 ・梓

 キングとしてやりたい放題してたのに取り巻きの刈野に裏切られて一気に底辺のターゲットに堕ちる憐れな男です。今までの行いが控えめに言ってもクソなので自業自得、因果応報ではありますが、ちやほやされていた美しくて強い男が急にいじめられる対象になるのは見てて可哀想だなとも思う。でも前科の有無にかかわらずあのフェロモン垂れ流しな容姿は重罪ですよ。最初は「梓狙いのモブ男多過ぎだろwww」って笑ったけど、よくよく見ると彼には男子高校生らしからぬ独特な色気があるし、隠し撮りされるのもうなずける。

 クラスでもいじめられるし、刈野には玩具にされるし、家庭環境にも問題があるけど、やられたらやり返すところが好きです。刈野に抱かれているときのトロ顔も良いんですけど、彼、受けとは思えないほどゲスい顔になるときがあって、それが個人的にとても性的で股間にグッときます。4話の「楽しみに待っとけよ」のコマの梓の顔なんて最高としか言いようがない。キングのプライドと貫禄を持ったままターゲットに落とされた梓が「刈野でいい」から「刈野がいい」に変わるのはいつなんだろう。今後が楽しみです。

 

・刈野

 梓の腰ぎんちゃくで「梓さん♡梓さん♡」ってしっぽ振って駆け寄ってくるような微笑ましい大型犬だったのに、カーストゲームでキングの座を手に入れてからは梓に向かって涼しい顔して「俺のオンナになれ」と言い放つようなえげつないキング様になりました。あまりの変貌っぷりにページ遡って「あれっ、この従順な忠犬が…?えっ、えっ」としばらく戸惑いを隠せませんでした。キングになったのも「面白そうだから」という理由だし何考えてるのか分かんねーわこいつランキング4人中2位だ。苦痛に歪む顔が見たいと言って梓をいじめのターゲットにしておきながら、梓がピンチになると助けようとする。何なんだお前は?ツンデレと呼ぶにはやることがエグ過ぎるぞ。あと「(梓を裏切った)俺に犯されるか、皆にマワされるか、選ばせてやる」って台詞、うんこ味のカレーかカレー味のうんこの二択と同じくらいヘビーじゃないですか?顔はタイプなんですけど怖いので友達にはなりたくないですね。彼も梓と同じく家庭環境が複雑そうで闇が深い。

 

・久世

 ジャック(キングの親友でハイクラス)から自分の意思でプレップス(文化系上位ミドルクラス)に成り下がった男です。あつむのプレップスカードと自分のジャックを交換したし、カーストには興味ないと言っていますが本当のところはどうなのか分かりませんね。一見温厚で優しそうに見えるけど、「あつむは昔世話してたウサギに似てる」と言った後に「そのウサギは他のウサギに殺されちゃったから、今度生き物を飼うときはたくさん愛してあげようって決めたんだ」と続けて何故か背筋に悪寒が走りました。

 私の中では久世が何考えてるのか分かんねーわこいつランキングダントツ1位です。私は二次創作だとこういう穏やかだけど腹の底が読めないキャラはどうしても相手に執着して盲目的に愛するあまりおかしな行動に出てしまうヤンデレとしてカテゴライズしてしまう癖があるのですが、この久世くんはどうなんでしょう。描き下ろし読むと刈野同様に悪い男感がにじみ出ている…。

 

 ・あつむ

 いじめのターゲットから久世の助けを経てジャックになり上がりました。カーストヘヴン界唯一の良心。梓にキングのカードを横取りされたこともあるのに、ターゲットになってひとりぼっちになった梓を理科の実験に誘うという天使っぷりを読者に見せつけます。久世の言う通りおどおどビクビクしている小動物のようで、もしもこの学校にカーストゲームがなかったら三年間自然とカースト底辺にいるだろうなって感じの子です。でもBLの受けなので地味だけど顔は可愛いです。BLの受けなので。

 「何でもする」と言った久世にジャックの立場で「触って欲しい」とお願いならぬ命令をしたとき、あつむは『僕はかよわい子兎なんかじゃない、みんなと同じあさましい人間なんだ』と思っていたようですが、そのあさましい人間にさせたのはあつむにいやらしいテクニシャンハンドで触りまくって性欲をかきたてた久世なんだよなあ……。今のところ刈野×梓に比べると久世×あつむは上手くいっているようにも見えますが、久世の豹変と自分を卑劣な人間だと思い込んであつむが精神的に押しつぶされてしまわないかが心配です。

 

 

 このカーストゲームとは一体誰が何のために始めたのか、梓と刈野、久世とあつむの関係はこれからどうなってしまうのか。続きが待ちどおしい作品がまたひとつ増えました!