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学ランと心中

ホモをご飯にかけて食べると美味い。

テンカウント(3)/宝井理人 感想

BL漫画

Amazonボーイズラブコミックスカテゴリで1位を突っ走っているテンカウント3巻を読んだぞー!!

商業BLって一冊でたら次の巻まで数年待たなきゃいけないってことがよくあるんですけど、テンカウントは2巻の3巻の間が約半年あいただけだったのでとても早く感じました。

いやはや今回も良かった~!

 

テンカウント (3) (ディアプラス・コミックス)

テンカウント (3) (ディアプラス・コミックス)

  • 作者: 宝井理人
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2015/02/28
  • メディア: コミック
 

 

【内容紹介】

「俺の体、黒瀬くんの匂いでいっぱいだ」

二人での外出中、黒瀬とのキスを想像して、体を反応させてしまった城谷。
なぜこんなふうになってしまうのか、自分でもわからないまま、熱い体をなだめてゆく黒瀬の手を止められない。
裏腹な心と体に翻弄される城谷は……?

無愛想なカウンセラーと潔癖症の社長秘書、堕ちてゆく二人の恋のセラピー。                  Amazon」より引用

 

 

 

(以下ネタバレ有)

 

 

 

 

 

 

 ということで無口でつかみどころのないカウンセラー黒瀬くん×潔癖症の秘書城谷さんのテンカウント3巻です。

1巻から読むと良い意味で「騙された!!!」という気分になるBL。ちなみに私のテンカウント1巻の感想は

で、

 

 

 2巻を読み終えた際の感想がこちらになります。

 

 同作者の作品である『花のみぞ知る』や『花のみやこで』、(原作者は違う人だけど)『セブンデイズ』はふたりの恋がゆっくり進むプラトニック感の強い話だったので、テンカウント1巻を読み始めたときも受けが潔癖症を克服するための10の項目(つり革を持つとか、握手するとか)を攻めと一緒に行っていくうちに魅かれ合うピュアラブパターンのBLなのかなって思ってたんですよ。思ってたんですけどまさか2巻からSM+怒涛のエロシーンをぶち込んでくるなんて…一体誰が予想できたでしょう。

 

 しかしBL漫画界隈には密かなSMブームがきているのかな?

最近私が読んだ中では井戸ぎほうさんの『夜はともだち』や、たなとさんの『スニーキーレッド』はとても良いSMを扱った作品だったのですが、このふたつが肉体的加虐&被虐のSMだとすると、テンカウントは精神的なSMですね。黒瀬くんは殴る縛るのように直接体を痛めつけることはしないけど、潔癖症の城谷さんに触れて穢してじわじわと調教を施していく。

 

 3巻では黒瀬くんによる調教も大分進んでいますね。城谷さんはドリンクのまわし飲みに挑戦しようとしただけで黒瀬くんとのキスを想像して勃起するし、黒瀬くんに「偉いですね」と褒められただけで顔を真っ赤にさせてゾクゾク興奮しちゃうし。あとがきで宝井さんが『Sの人はMの人を褒めて育ててあげるのも大事』と書かれていて、この‟育てる”という言葉にものすごくグッときてしまった。確かに今まで自慰も必要最小限しかしてこなかった城谷さんが黒瀬くんの口でご奉仕されて腰をくねらせて悶えている姿は『育ち』以外の何ものでもないな…ひょっとしたらテンカウントはSM成長物語なのかもしれないな…。

 

 でもその調教のせいで城谷さんは「汚されたくない心」と、「もっとぐちゃぐちゃにして欲しい体」がバラバラに剥離した状態になっていきます。BLの王道台詞で「クククッ…口では嫌だと言っていても、体はこんなに悦んでるぜ?(暗黒微笑)」みたいなのがあるじゃないですか。城谷さんも始終このような感じになってるんですけど、普通の受けと違って潔癖症もちなので彼の場合は自分の心が体に追いつかないというか、ただ素直になれずに嫌々言うタイプの受けとはちょっと違うし一筋縄ではいかないんですよね。ここをどう乗り越えるかも今後の課題。

 

 あと3巻では城谷さんの過去も少しだけ見えてきました。どうやら彼は「周りが汚い」のではなく、過去の出来事がトラウマとなって「自分が汚い」と思い込んでいて、それが潔癖症の原因になっているようなのです。城谷さんの家に黒瀬くんが入ったときも『自分が』ではなく『黒瀬くん』に「消毒しましたか?」とメールで聞いていましたし、お尻に玩具を挿入されるときも『自分が』ではなく『黒瀬くん』に「これが終わったら俺がいいって言うまで手を洗ってくれますか?」とお願いしていましたね。まるで自分自身をばい菌だと思っているかのように。

 

 城谷さんのことは少しずつ分かってきたんですけど、黒瀬くん、てめえのことは未だに全然分からん。カウンセラーとして好きな人の潔癖症を治したい気持ちと、ひとりのS(?)として好きな人を調教したい気持ちがせめぎ合ってごちゃ混ぜになっているのだろうか。時折ふっと悲しそうに笑う顔が切ないです。黒瀬くんがつかみどころのないグイグイくる攻め方で城谷さんを振り回しているようでいて、実は黒瀬くんが城谷さんに振り回されているようにも見える。

 調教と言うと生粋のサディスト!って感じがしますが、一方で黒瀬くんは優しい人だとも思います。いくらカウンセラーと言えども極度の潔癖症の人とプライベートであれだけ付き合うのって相当根気がいると思う。好きって気持ちがあってもなかなか出来ない。城谷さんのことを心配して外で一時間も家に合鍵を使って入ろうかマンションの管理人を呼ぼうか考えたり、手こずっている様子を見て上着のボタンを外してあげたり、ところどころに見られるさりげない気遣いが好きだなあ。

 余談ですが今までのテンカウントの描き下ろし漫画を読むと黒瀬くんはムッツリスケベのイメージなのですが、彼がどんな顔をしてあのプラグを購入したのかが気になる。

 

  あとこれはただのディアプラスコミックスへの愚痴なんですけど、さあこれから尻穴開発プレイを始めるぞ、「ゆっくり挿れますけど急に動いちゃ駄目ですよ」ってところで次巻に続くのはズルいですよ。な~にがTo be continued.じゃ!!あんなエロ直前のシーンで終わらせて次巻に持ち越しなんて酷すぎるよ~狙ってやったなら担当の編集者は黒瀬くんなんて比べものにならないほどドSだよ~!BL漫画でこんなにも残酷な引きを見たのは初めてです…。城谷さんのお尻に塗ったジェルが乾いてしまう前にどうか早く4巻を…4巻を出してください……それだけが私の願いです…………。